グローバリズム対ナショナリズム(激動のEU)







今日、TBSラジオで、フランスの大統領選挙の話が出ました。
極右の国民戦線のルペンさんが、現在1位となっているという話でした。
世界が右翼化していて、グローバル社会が閉鎖的になっていくのが悪のような論調でした。
相変わらず、TBSラジオは右翼左翼の話で、世界が動いているという論調です。
現状、世界で何が起こっているのかを把握していないと言わざるを得ません。
世界では、エマニュエル・トッド氏によれば、グローバリゼーション疲れが起こっています。

EUで何が起こっていたか

現在グローバリゼーションの弊害が出ていて、グローバリゼーションを柱にして作られたEUがほぼ失敗してしまっている現状が見えています。
統一通貨ユーロにより、金融政策が不可能な中、経済はガタガタ。若年層失業率がスペインで50%を超えています。
他にイタリア、ポルトガルなども、ガタガタです。フランスもそろそろまずい状況となってきています。
この状況の中、一人勝ちしているのがドイツです。しかし、ドイツも実質賃金は下がっている状況です。つまり勝っているように見えて、ドイツもいい状況ではないです。
EUで何が起こったか。ドイツによる輸出攻勢で、南ヨーロッパは軒並み経常赤字を増やして行きました。
ドイツが南ヨーロッパの製品を駆逐して、一人勝ちを収めたというのが現状です。
強い者が勝ち、負けた者は自己責任という新自由主義の影響が強く出ています。

EUの東方拡大で何が起こったか

そんな中、2004年からEUの東方拡大により、東ヨーロッパをEUに引き込みました。
もともとのユーロ圏内は、実質賃金はほぼ同じだったため、人、モノ、金の移動を自由にしても、それほど問題ではなかったのですが、西ヨーロッパと東ヨーロッパの実質賃金は、3、4倍の差がありました。
当然移動が自由になったために、東ヨーロッパの人々が西ヨーロッパ諸国に移動して安い賃金で働くようになりました。そして、失業率が上がりました。
EUの拡張により、西ヨーロッパの各国は移民問題を抱えるようになりました。
ドイツだけ別で需要があったので、より安い賃金で働く東ヨーロッパ移民によって、経済成長しました。逆に一人勝ちになった要因かも知れません。

移民問題によりEUで何が起こっているか

イギリスも、東ヨーロッパからの移民で、急激に移民の人数が増え、職を奪われる状況となったのです。
それに耐えきれなくなったイギリスがEU離脱を決めたことは、当然の帰結だと思います。
それに加えて、シリアや北アフリカからの移民問題が起こり、イギリスだけでなく他の西ヨーロッパ諸国も、耐えられなくなってきています。
フランスのルペンさんが躍進してきている理由も、グローバリズムに耐えきれなくなったことが原因だと考えられます。

それをTBSラジオはまったくわかっていないようです。
今、世界で起こっているのは、右翼左翼の話ではないのです。
ナショナリズムとグローバリズムの戦いなのです。
EUはそう遠くない将来、大変革が起こると思います。
各国とも軒並み若年層失業率が高いからです。
このまま平和裏にEUが解体されれば、良いのですが、最悪の場合、戦争になるかも知れません。
第一次、第二次世界大戦前は、今以上にグローバル社会でした。
現在の論調では、グローバル化が世界平和に貢献することになっていますが、第一次、第二次世界大戦が示すように、グローバル化していたとしても、戦争が起こらない保障はどこにもないのです。
そんなこともわからず、公共の電波を使って、世界情勢を見渡せていない情報を発信しているTBSラジオには、がっかりです。
どうしたものか。。。


日本では、グローバリズムを主軸においた、安部政権がまだまだ支持率が高く長期政権が続きそうですが、危険ですね。
他の諸国が、みんな保護主義的な政策をするようになる中、グローバリズムが善ですなんてことをしていたら、食い物にされるのが目に見えています。
アメリカの情勢は気になるところです。
アメリカに無理難題を押し付けられるのは目に見えています。
藤井先生的にいうと、ジャイアンが「俺の物は俺の物。お前の物も俺の物」と言っているのですから、今までの外交方式を取っていたら、日本は簡単にカモられることになります。
今後、日本がどういう立ち位置で、世界に関わるのか、注意が必要だと思います。

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