AIによって失業者が増える対策として、ベーシックインカムを導入しよう







今年2017年1月より、フィンランドでベーシックインカムが始まりました。

ベーシックインカムとは、国民に対し、収入、職業、年齢などにかかわらず、全員に無条件で最低限の収入を給付する制度です。

複雑化している社会保障制度をベーシックインカムで統一して、社会保障を一本化しようという試みです。

壮大な社会実験

壮大な社会実験ですが、意外といろいろなところで行われているようです。

オランダでも一部の地域で、2016年から始まっていて300人限定で対象となり行われたようです。

フィンランドでのベーシックインカムの対象も2016年に失業している2000人が対象で2017年1月から開始されています。

スイスでは、2016年6月にベーシックインカム導入の是非を問う国民投票が行われましたが、否決されましたが賛成票は約1/4でした。

ベーシックインカムのメリット

今まで言われていたことは、生活に必要な金額を給付することにより、勤労と収入を切り離すことができるようになるということです。

国民は、好きなことをやって稼ぐことも、あるいは稼がずに、一日中家でごろごろすることもできるようになります。

つまり、生活のための労働は必要なくなり、個人の尊厳を尊重した生活を楽しむことが可能となります。

ベーシックインカムのデメリット

今まで言われていたことは、生活に必要な金額を給付することにより、財源の問題、勤労意欲の低下、経済競争力の低下が挙げられます。

財源の問題ですが、インフレにならないように、中央銀行と政府が上手に調整することができれば、財源の問題はないです。これは、にわかに信じられないかも知れないので、後述します。

勤労意欲ですが、もし、給付金が生活ぎりぎりの金額しか給付されない場合、生活を少しでも豊かにするためには、労働は必要になるだろうと言われています。ただ、職業が趣味趣向に偏る可能性はありますね。

経済競争力の低下ですが、ここは不明です。現状、社会実験から判断できるだけの十分に長い期間で社会実験が実施されたことがないため、わかりません。

プレシンギュラティ(前特異点)前の世界では

プレシンギュラティ(前特異点)とは、スパコンの性能がエクサフロップスに到達した時点で起こる技術革命のことです。

スパコンがエクサスケールに到達したときの世界では、現在では不可能なことが可能になりますが、それ以前の世界はどうでしょう?

AIに仕事を奪われるという話が多く出ています。

仕事の半分はAIに置き換えられるのではないかと言われるほどです。

つまり、失業率の高止まりが常態化し、社会が不安定化するという話です。

プレシンギュラティ(前特異点)の効果が安定する状態になる前の段階では、失業率の高さから社会不安は増大することが考えられます。

それを考えると、前特異点の効果が十分になるまでの数年間は、ベーシックインカムのような社会保障制度が必要になると思うのです。

国民の半分が失業状態の社会がどれだけ荒むか、想像できないですが、放っておくことはできないと思うからです。

もちろん、既存の社会保障で給付することも可能かも知れませんが、いつ失業するか怯えながら生活することのストレスは尋常ではないと思われます。

それを考えると、最低限の生活には困らないことを保障するベーシックインカムは最適な社会保障だと思うのです。

プレシンギュラティ(前特異点)前の世界でベーシックインカムを実現するための条件

条件とは、ずばりグローバル化していない世界ですね。

モノ、金、人の国境を越えた自由化が実現している世界では、ベーシックインカムなど始めたら、移民が押し寄せてくることになるでしょう。

とても賄い切れなくなるのは明らかです。

今の日本の移民政策には大いに問題があると言えるでしょう。

プレシンギュラティ(前特異点)後の世界

衣食住にかかる価格が下がる話は、以前のブログで説明しました。(「スパコン菖蒲の次、エクサスケールの衝撃が来る」)

エネルギーも価格を下げることができます。

つまりはプレシンギュラティ(前特異点)後の世界ではベーシックインカムによる給付額は、とても少なくすることができるわけです。

財源に関しては、問題が解決すると考えていいでしょう。

勤労意欲についてですが、労働自体が必要なくなることが想定されているので、議論の余地はないと思います。

経済競争力の低下ですが、鎖国できるだけの生産力が付くと思うので、経済競争力はあまり考えなくてよくなるのではないかと思われます。

財源のお話

もし現状の日本でベーシックインカムを実現することを提言すれば、財務省は間違いなく、「国の借金が~!」と言い出すことだと思います。

しかし、以前財務省が経済について間違えた考え方をしていることを指摘しました。(「国の借金なんて、気にしなくていい。貨幣論から見る財務省の愚かさ」)

日本に財政問題などない!という主張です。

国の借金は1000兆円あるじゃないか~!という人がいるかも知れませんが、だからどうしたの?という話です。

それによって、金利が上がっていますか?インフレになっていますか?円は暴落していますか?という話です。

金利は低いし、インフレどころかデフレですし、円は暴落していません。

つまり借金があっても、日本では問題にならないのです。

財務省が単に増税したいから、ありもしない財政問題を挙げているだけです。

これについてはまた別の機会に書きたいと思いますが、日本の「国の借金」は、取るに足らないことで問題でもなんでもないのです。

なぜ財政問題が問題ではないのか

ちょっとだけ書くと政府は通貨発行権を持っています。正確には日銀が発行しています。政府は硬貨のみを発行しています。

日銀は日本政府の子会社ですので、日銀が国債を買い取れば、国の借金はチャラにできるのです。

実際、今国債を日銀が買い取っていて、現状の保有率は40%を超えています。

実際にもう実施して、「国の借金」は減っていますが、マスコミでは「国の借金」が減っている事実は報じられません。

そういう恐ろしい国なのです。

ちなみに「国の借金」は正確には「政府の負債」です。

財務省は「政府の負債」は税金で支払わないといけないと主張していますが、他にもいろいろ方法があるのです。

財務省との戦いの先にあるベーシックインカム

財務省の頭は新古典派経済学という学問に染まっていますが、新古典派経済学自体が誤った認識の基に作られた学問のため、財務省は間違った固定観念を持っているのです。

我々、国民はこの新古典派経済学と戦わないといけないのです。

その戦いに勝った暁にはベーシックインカムがあると、僕は考えます。

そうすると、プレシンギュラリティ(前特異点)後の世界が来ても、問題が起こらないようにできると考えています。

ぜひ、プレシンギュラリティ(前特異点)後の世界を間違えることなく、移行していける社会を作って行きたいものです。

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