反EU、反グローバリズムの敗北。フランス大統領選挙から見る若年層失業率







ラジオネタです。コメンテーターは、経済評論家の三橋貴明さんです。
フランス大統領選の結果が出ました。中道独立系のマクロン氏が勝ち、大統領となりました。

グローバリズムによる若年層失業率の上昇

グローバリズムによって、人、物、金の国境を越えた自由化、規制緩和、財政緊縮(均衡財政)、社会保障の削減、公務員の削減をEU諸国では実施していますが、それにより若い世代の職と雇用がなくなっていって、不満を持つようになりました。
現在、EUで起こっている若年層失業率の高さからわかるかと思います。(若年層失業率とは15~24歳の学生、主婦などの自発的失業者を除いた働ける若者の失業率を言います)
ギリシャ、スペインなどでは、若年層失業率は50%を超えています。
二人に一人が失業者という厳しい状況です。
そうやって不利益を蒙ってきた若年層が不満のはけ口として、ルペン氏や韓国の文在寅氏を支持したものと考えます。(フランスは20%以上、韓国もILO基準で見ると若年層失業率は10%以上)

反EU、反グローバリズム

フランス大統領候補には、メランション氏がいました。メランション氏はもともと経済自由主義(グローバリズム)を支持したEUの支持者でした。
しかし、人、物、金の国境を越えた自由化を国際協定によって固定化してしまったEUに対して不満を持ち、メランション氏は、今回反EUとして立候補しました。
EUによるグローバル化の固定化により、移民による若年層の雇用の喪失が起こりました。
しかしEUにいる限り国際協定(マーストリヒト条約)があるため、フランス国民の主権に基づいて、移民の制限をすることができません。
国民の主権が制限されるのです。ここが国際協定のやっかいなところです。
民主主義が失われていることをメランション氏は訴えたわけです。
イギリスは、民主主義を取り戻すため、ブレグジットを選択しましたが、フランスは今回そこまでは到りませんでした。
しかし、この流れは、時間が経てば、さらに大きな問題になるであろうと思われます。
歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏は、これを「グローバル疲れ」と表現しています。

フランスの若年層失業率

フランスの若年層失業率は、2015年の統計で、25%弱でした。若年層失業率には、自発的失業者は含まれません。
働きたいと思っている15~24歳の若者の中で、1/4の方々が働きたくても働けない状況にあるということです。

マクロン氏の緊縮財政路線

そんな中、大統領に選ばれたマクロン氏ですが緊縮財政を実施することを挙げています。公務員を12万人削減するそうです。
フランス全体の失業率は10%を超えているときに、公務員を減らす政策をしようとしています。。。
フランス国民はさらに失業率が上がるのですが、それでいいんですかね。。。
国民の不満が公務員に向けられているのかも知れないですね。
でもそれは自分たちで自分たちの首を絞めることになります。
さらなるデフレ圧力になるのは、言うまでもないです。
国民の所得が減って需要が減る。デフレとは、需要の不足ですので、需要が減ればデフレ圧力は増すというわけです。

日本の状況

日本は今世界とは違って、若年層失業率が下がって行っています。
少子高齢化による影響により、人手不足になっています。
若年層失業率だけでなく、全体の失業率もついに3%を割りそうです。
ほぼ完全雇用を実現しています。
少子高齢化により、日本は世界的に見て恵まれた環境になっていると言っていいでしょう。
経営者は大変ですが、一般のサラリーマンとしては、喜ばしいことです。
僕的には、このまま人手不足が続けば、所得が増えていき、国民が豊かになると考えています。
直近では残念ながら、名目賃金で、未だに減っているそうですが。。。
物価指数の上昇により、実質賃金が減っていましたが、名目賃金も下がったのは、ちょっとショックです。
長期的に見れば、名目賃金も、実質賃金も増えると思います。
所得が増えれば、自然に消費も増えると思います。
なので、海外に需要を求めて、アメリカなしのTPPを結ぶことなど考える必要はないと考えています。
日本は未だにデフレなのに、どうしてそんな発想になってしまうのだろうと思ってしまいます。間違いなくデフレ圧力は増すでしょう。
EUの失敗を見ていると、国際協定など、できれば結ばない方がいいということを政府には悟って欲しいと切に思います。

にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへにほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへにほんブログ村
社会・経済ランキング
FC2ランキング






1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください