少子化はデフレーションが原因だった。プライマリーバランス黒字化目標は破棄すべき







文化放送のラジオネタです。コメンテーターは、経済評論家の三橋貴明さんです。

プライマリーバランス黒字化目標の破棄について、何度も書いているのですが、また語っておられたので、また取り上げたいと思います。

プライマリーバランスとは、日本語で、基礎的財政収支のことです。つまりは、政府の収入と支出のことです。プライマリーバランス黒字化目標とは、政府の支出を削ることや増税をすることで、収入をプラス化しようということです。

プライマリーバランス黒字化目標の破棄は必須

今年6月に日本の運命が決まると三橋貴明さんは言っておられます。

6月に何があるかというと、安倍内閣が骨太の方針2018というものを閣議決定で決めます。

この骨太の方針にプライマリーバランス黒字化目標が入るかどうか、これによって日本の運命が決定的に変わってしまいます。

今の日本は、未だにデフレーションという総需要の不足という経済現象に苦しめられています。

デフレが継続することによって、国民が貧困化していっています。

また、財政は悪化しているし、インフラは老朽化していっています。科学技術は見る影もなく凋落していっています。

さらに、防衛力は弱体化していっています。社会保障も維持できなくなっています。少子化の継続や人口の減少が起こっています。

っと、言ったようにさまざまな現象がデフレによって起こっています。

プライマリーバランス黒字化目標がある限り、デフレ対策を政府は打てないのが現状です。

デフレと人口減少の関係の勘違い

デフレと人口減少は関係しているかというと、デフレだから人口減少が起こっています。

よく人口が減少しているからデフレになっているという評論家の方がいますが、逆です。

そもそも人口が減少しているのは、日本だけではありません。

世界には、2000年から2015年までの比較で、日本よりもハイペースで人口が減っている国は18カ国あります。

ほとんどの国が、日本より高い経済成長していて、且つデフレではありません。

一番人口が減るペースが高いジョージア、昔はグルジアと呼ばれていた国ですが、2000年から2015年の平均の経済成長率は5.67%だそうです。

ものすごい勢いで人口が減っていますが、経済成長率もすごいです。

日本の経済が低迷しているのは、単純にデフレのせいだということがわかります。

もし、デフレが人口減少のせいだと言うのであれば、日本よりハイペースで人口減少している18カ国はどうなんですかという話です。

地球全体で見れば、アフリカを中心に増えています。なぜ日本は人口が減っているのだろうと思うかも知れませんが、日本より人口減少のペースが速い国は18カ国もあるということです。

バルト3国などは、1%を越えるペースで人口が減っていっています。日本は0.3%ほどですので、他の人口減少国に比べるとたいしたことないと言えます。

日本だけがデフレで経済成長率も低迷しています。

実質賃金と婚姻率の関係

デフレである日本では大変な問題を引き起こしています。

デフレだと物価は下がるのですが、それ以上のペースで所得が小さくなっていきます。実質賃金が減るという話です。

特に若者の実質賃金が低迷すると、間違いなく婚姻率が低下します。結婚が減ります。

結婚が減ると出産も減るので、少子化になって、人口も減ることになります。

現在の少子化の原因はデフレーションが原因だと言えます。

実質賃金の低下と少子化が密接に関係していることは、世界で深刻な少子化傾向にある台湾で見ることができます。

見事に若者の実質賃金が減っています。それにより結婚が減ってしまっています。

結婚が減ることが少子化の原因だということです。

日本の少子化や人口減少は、デフレーションの結果だということです。少子化や人口減少がデフレーションの原因ではないのです。話がまったく逆に捉えているコメンテーターや評論家がいますが、間違っていると言えるでしょう。

人口が減っているからデフレなんだ~!という人には、じゃあ、ジョージアはどうなんだ!と言ってしまえば、黙るしかないということです。

今の若者世代は、バブル世代とは違って、実質賃金が下がって、手取り10~15万円など当たり前になってしまっています。

この状況で結婚できますか?と言う話です。

少子化対策担当省が、若者にあなたは結婚したいですかと調査したそうです。

8割以上が結婚したいと回答したそうです。この率は欧米より高いそうです。

でも、結婚していない、その理由の6割以上が経済的事情からだとの回答だったそうです。

実質賃金が少ないという問題を解決することが少子化対策の第一の目標ではないですか?ということです。つまりは若者の実質賃金を引き上げる必要があるということです。

デフレの歴史

デフレとは貨幣現象などではなく、総需要の引き下げから始まります。

1990年代前半でバブルが崩壊しました。

バブルが崩壊すると、借金をしてまで、投機にお金を遣っていた人たちは、投機物件の下落から、借金だけが残ってしまいます。そこで借金の返済を始めます。且つ銀行預金を増やし始めます。

借金返済や銀行預金を増やせば、当然その分、消費は減ります。

そのタイミングで、1997年に橋本政権時に消費税の引き上げをしてしまいました。。。

公共投資削減などの緊縮財政を始めてしまいました。つまりは国民が消費を減らした状況で、政府が投資や消費を減らす政策をしたため、結果としてデフレに突入したわけです。誰も消費しない状況になったために、総需要の不足が起こったわけです。

日本のデフレが始まったのは、まさに20年前の1998年からです。今年はデフレ20周年ということになります。。。

話は簡単で、消費や投資が減ってデフレになっているのだから、消費や投資を増やせという話です。

ところが政府が消費や投資をしないわけです。

国民は、デフレ下で、実質賃金が減る状況なので、ますます消費をしなくなります。あるいは、将来不安のために、銀行預金を増やします。

企業も、デフレで儲からないのに、設備投資をするわけもなく、投資をしません。

っということで、民間が主導で、消費や投資を増やすことは、論理的に無理です。

だから、政府がやればいいのですが、プライマリーバランス黒字化目標があるために、できないのが現状です。

っという話が続き、20年間デフレーションから抜け出せていないということです。

デフレーション継続期間としては、世界初ではないかとのこと。。。不名誉な世界一です。。。

デフレが続く理由

デフレで所得が減るということは税収も減ります。

税収は所得から払うわけですので、当然です。

税収が減ると政府の財政が悪化します。本来であれば、デフレなのだから、そんなことは気にしないで、国債の発行や日銀の国債買取などで、政府が支出すればいいのだけど、やらないで、「国の借金で破綻する~!政府は支出を削れ~!増税だ~!」と言って緊縮財政をするわけです。そうすると当然、消費や投資が減るので、デフレが促進されて、経済が低迷して、国民の所得が減るため、さらに税収が減ります。そうすると、「国の借金で破綻する~!政府は支出を削れ~!増税だ~!」と言います。いつまでこれを続けるのかという話です。。。

っというのが今の日本です。

とにかくデフレを止めないといけません。ただし、デフレを止めるためには、プライマリーバランス黒字化目標を破棄しないと話が進みません。

プライマリーバランス黒字化目標がある限り、北朝鮮問題があるので、防衛予算を増やしましょうとしたとき、もし防衛予算を1兆円増やした場合、社会保障か公共事業を減らして1兆円削れということになるわけです。もしくは1兆円分の増税をしろというデフレ化政策をするわけです。プライマリーバランス黒字化目標がある限り、どうにもなりません。。。

日本国民の貧困化は著しくて、消費増税をした1997年4月の前の1月3月期の実質賃金に比べて、15%実質賃金が減っているのです。

実質で貧乏になっているこの状況で、国民が消費を増やせるはずもないし、国民の所得が増えないので、税収も増えないので、公共投資は削減、インフラは老朽化、科学技術予算をつけられません、防衛費も増やせません、っということが過去20年間の日本だということです。

プライマリーバランス黒字化目標を骨太の方針から消せるか消せないかは、今年の6月に決まります。

しかし、もし6月でプライマリーバランス黒字化目標を消せたとしても、予算に反映できるのは2019年度からです。今年をどう乗り切るのかという話です。。。

どちらにしても、補正予算は組まないといけないと思います。

次年度の計画を前年度の6月に決めるということです。そういうプロセスになっています。

財務省は、学者や財界人に対して、ご説明と称して、プロパガンダを説明して回ります。。。プライマリーバランス黒字化目標は堅持ですというような説明をして回るのです。

国民がそれに対して、異を唱えないとどうにもならないということが言えます。国民がそれぞれ近くの国会議員に言って、変えていくしかないと言えます。

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