文化放送のラジオネタです。コメンテーターは、経済評論家の三橋貴明さんです。
北朝鮮が今度はグアムに4発の弾道ミサイルを発射すると威嚇していました。
北朝鮮の恫喝
北朝鮮はグアム周辺に4発の弾道ミサイルを包囲射撃をすると言っていましたが、その後、アメリカの行動をもう少し見守ると言っています。
包囲射撃は当面行わない意向を示したと見られ、軍事衝突の危険をはらんだ、米朝間の緊張が一時的に緩むという見方が出ています。
金正恩委員長は朝鮮半島の軍事衝突を防ぐには、アメリカがまず正しい選択をして行動で示すべきだと主張しています。
この発言にティラーソン国務長官は、「我々は引き続き北朝鮮と対話につくための方法を模索することに関心がある。それは金正恩委員長次第だ。」と述べています。
アメリカの動向は?
北朝鮮の今までの方法としては、突っ込んだ発言をしたあと、そこから引く方法を取っています。
しかし、発言したところよりも、北朝鮮が有利な形で、落としどころを見つけて、じりじりと立場を固める方法を取って来ました。
今回も、過激な発言をして、アメリカの譲歩を得て、結局北朝鮮に有利な状況を作るものと思われます。
今回のグアムの包囲射撃の件ですが、アメリカが投げやりになっていた北朝鮮問題を引き戻すことに成功したと思われます。
北朝鮮のいつもの常套手段をアメリカも気が付いていると思います。アメリカはどう歯止めをかけるのか注目です。
日本の動向は?
日本はどうするのかという話をしないといけないと思います。
国内のくださらない話をしている前に朝鮮有事について話し合わないといけないと思います。
小野寺防衛大臣が、北朝鮮がグアムに向かってミサイルを発射したときには、集団的自衛権に触れる可能性があると示唆しました。
日本は自分の問題じゃないと真剣に考えるというおかしなことになっていますが、考えないよりはマシなのかなと思います。
北朝鮮の国策への意欲は本物
7月28日に発射されたICBMのロケットエンジンがウクライナ製だったことが判明しました。闇市場を通じて、北朝鮮に渡ったと見られています。
今までのパターンだと模倣して自分たちの技術にすることをしてきました。今回もそうすることが予想されます。
SLBM(潜水艦から発射される弾道ミサイル)のときも、潜水艦はロシア製でした。
北朝鮮は、がむしゃらに他の国の技術を使ってでも、向上しようとしています。
主権国家としては、日本よりもしっかりしていると言わざるを得ない皮肉な状況です。
北朝鮮への経済制裁の行方
経済制裁として、北朝鮮から中国への石炭の全面的な輸入停止が報じられました。
全面的に経済制裁が実施できるなら、ミサイル開発などをする余裕もなくなると思われますが、闇市場もあります。
それ以外に、北朝鮮と経済的に結びついている国は、たくさんあります。
中国の北部戦区との商取引は、500億円規模です。その規模の経済活動を止められると思えません。
またイラン、サウジアラビアなど、北朝鮮製のミサイルを買っている市場があります。今までのミサイル発射も、イラン、サウジアラビアへのデモンストレーションの意味合いが大きかったと思われます。
そうやって、お金を出して買ってしまう国がある限り、経済制裁も効力がないわけです。
実際、今北朝鮮は経済的援助を必要としないほどになっています。
日本やアメリカも、できることは、もうあまりないのが現状だと言えます。
有事の円高株安
北朝鮮情勢が和らいだことから、円安が進み、株高になった模様です。
日経平均株価が5営業振りに上昇しました。
輸出関連株などが買い戻されたようです。
危機が深刻化すると、なぜ円が買われて、ドルが売られるかというと、貸し主が日本なので最終的には円に戻るためです。
何か経済的、軍事的な危機が表面化すると、必ず円高になって、株価が暴落するパターンになっています。
日本は世界一の対外純資産国であるがために、損をしていると言えます。
有事の相場変動
今後、どうなるのか。
過去の例を見ると、有事のときには、株や為替を見ているとわかるそうです。
有事の前に、どこからか情報が漏れて、株や為替が動くそうです。
株や為替を見ていれば、有事がわかるようなので、有事の予想として、株や為替の相場を見るのもいいかも知れません。
当然有事だけの理由で相場が動くわけではないので、確実かというと、そうでもないですけど。