ラジオネタです。コメンテーターは経済評論家の上念司さんです。
以前、本ブログで、中国の一帯一路構想について書きました。(「中国の一帯一路構想」)
今回は、中国の一帯一路構想に関する国際フォーラムが開かれましたことについて書きたいと思います。
29カ国首脳クラスの要人と130あまりの国と、70以上の国際機関から約1500人が参加しました。
中国の一帯一路構想
中国の一帯一路構想とは、中国、アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパまでを結ぶ陸路のシルクロード経済ベルトが一帯を示し、南シナ海からインド洋を経てアフリカからヨーロッパに到る二十一世紀海上シルクロードが一路を示します。陸路と海路で結ぶ中国の経済圏構想のことです。
2017年5/14、5/15に北京で一帯一路国際協力サミットフォーラムが開催され、約1500人ほどが参加したそうです。
そこで、習近平国家主席は、中国の一帯一路基金(シルクロード基金)に1千億元(約1.64兆円)を追加拠出することを明らかにしました。
協力、WIN-WINの関係、共存共栄、これらを中核とした新たな国際関係を構築すると主張しています。
欧米で保護主義的な動きが進む中、中国が世界経済を先導することを宣言しました。
中国の一帯一路構想への意気込み
しかし、中国の海外投資で一帯一路構想が占める割合は3割ほどだそうです。
中国の主な海外の投資先は、シンガポールや欧米の先進国です。
一帯一路になぜそんなに投資していないかというと、投資してもお金が返って来ない可能性があるからだと見られています。
陸路のシルクロードである中央アジアには独裁国家がごろごろあります。そこに投資するには、役人たちにたくさん賄賂を渡す必要があります。
また過去にリビアやベネズエラなどに投資して、丸々損をした経験があり、一帯一路構想も同じ結果になるのではないかと恐れられているそうです。
中国の4大銀行に共産党はお金を貸すように言っているようですが嫌々貸しているのが現状らしいです。
一帯一路構想は成功するのか?
そんな事情もあり、中国は言うほど、お金を出していないし、本腰が入ってない状況だということです。
集まってきた国も中国がお金を出してくれるならいいよと言っている連中ばかりだそうです。
日本では、自民党の二階幹事長は、やれやれと言っています。麻生財務大臣は中国の一帯一路構想に深く結びついているAIIBへの投資は考えにないそうです。
日本でも、90年代にバブルが崩壊したときに、ODA(政府開発援助)や海外投資に円高メリットを活かすと言ってお金を使いましたが、その結果、大失敗をしています。
それと同じ失敗を中国もする可能性が高いということです。
中国のデフレ化から見える一帯一路構想の行方
中国はデフレに突入していると見られています。
その中で、問題になっているのは、供給能力の過剰問題です。
デフレは、需要に対して供給量が過剰になることから発生します。余剰の供給量を海外に使うのが中国の狙いだと思われます。
海外のインフラ整備ですが、中国人労働者が現地に出向いて、開発をするそうです。現地には、雇用は生まれないような形で進められています。
しかし、一帯一路構想の財源の一部であるAIIBもまだ本格的に動いていません。
資金が動いていないため、一帯一路構想はそれほど進んでいないようです。
前のブログでも書きましたが、一帯一路構想は、実現したら、中国の権威はアメリカを抜くことになるでしょう。
アメリカと日本の仮想敵国である中国が世界の覇権国になるということです。
そんな一帯一路構想の財源となるAIIBに日本やアメリカが投資してどうする?という話です。
二階幹事長の先見のなさには、びっくりしてしまうわけです。
しかし、世界では、AIIBに投資したい国は多いようです。
一帯一路構想が成功したとき、一党独裁国家である中国という覇権国による支配が現実してしまうことを想像してから投資して欲しいものです。
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