またTBSラジオで、考え方が古い理論が語られていたので、批判したいと思います。
ポピュリズムが横行?
ポピュリズムの定義をWikipediaから引用すると以下となります。
「一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに既存のエリート主義である体制側や知識人などと対決しようとする政治思想、または政治姿勢のこと」「日本語では大衆迎合主義と訳すことがある」
TBSラジオでは補足として、実現不可能な政策を掲げることで、大衆の支持を受ける政治手法だと言っていました。
トランプさんが典型的なポピュリストだとTBSラジオは言います。
フランスのルペンさんも批判されていました。
オランダの極右の自由党が勝てなかったことがよかったとのこと。
本ブログのグローバリズム対ナショナリズム(激動のEU)でも示しましたが、本当にポピュリズムなのでしょうか?
TBSラジオでは前にも、トランプさんは、大統領になりたくて、一般大衆受けする公約をして大統領になったということを言っていました。
一方で、ナショナリズムとは以下のように定義されています。
「自己の所属する民族や国家などの文化的共同体に対して、統一、独立、発展などを求める政治思想や運動を指す」「日本語では内容や解釈により民族主義、国家主義、国民主義、国粋主義などとも訳されている」
トランプさんの主張を聞いていると、素直に受け止めると、ナショナリストであると受け取れます。
既存のエリートやオバマ政権と対立した考え方をしているのは確かですが、大衆受けするために主張していたようには思えないです。
ポピュリストであり、ナショナリストであるという定義もできるのかも知れないですが、僕の受けた印象では、トランプさんが大衆に媚びるような人でないように見えるので、やはりポピュリストではないように思えます。
純粋にアメリカが偉大な国でなくなりかけているのを立て直したいと思っているナショナリストなのだと思います。
公共投資も大衆受けのため?
では、実現不可能な政策を掲げていることについてですが、これについては、公共投資を拡大する話がいつまで経っても出てこないなあと思っています。
おそらく財源が確保できないのでしょう。
しかし、軍備拡大を決定しました。
これは対中国とのパワーバランスのためだと思います。
尖閣諸島について、中国から守ると言ってはいますが、本当にアメリカが動くかどうかは疑わしいと思いますが、今のところ、中国は尖閣諸島にちょっかいを出す様子もないようです。
威嚇としては十分だったのかも知れません。
確かに戦争は軍事バランスの均衡が壊れたときに起こるものなので、日本が今後もアメリカ依存を続けるなら、アメリカの軍備拡大はいいことだと思います。
対中国のことを考えると正しい判断だと思います。
しかし、財源を確保するために、科学技術の費用を削減するということで、違う意味でのアメリカの弱体化が起こると思われます。
このことを考えると公約として掲げていた公共投資には、お金は出せない可能性が高いなと思っています。
確かに、実現できない公約だったのかも知れないなあと思います。
単に国債を発行して、財源に充てればいいだけだと思うのですが、議会を通せないのかも知れないです。
FRBに国債を買わせちゃえば、借金帳消しだと思うのですけど、新古典派経済学的には、反則のため、実施できないのでしょう。
しかし、国債発行、FRBが国債買取をすれば、ドル安に向かうので、トランプさんの目標に近づくと思うんですけどねえ。
なぜやらないのか、僕にはわかりません。
アメリカの遺伝子組み換え作物
アメリカ第一主義を掲げるトランプさんですが、単なるポピュリストならばいいのですが、アメリカ第一主義を通すようで、「農業の市場開放で第一の標的は日本だ」という物騒なことを閣僚が言っています。
本ブログの(株)貧困大国アメリカを読んで(アメリカの遺伝子組み換え作物)でも示したように、アメリカでは効率よく栽培ができるように遺伝子組み換えを行った農作物が出回っています。
すでに米の遺伝子組み換え作物も出ているため、日本の米が狙われているのは確かだと思います。
効率よく栽培できるということは、安く売れるということです。
日本がもし米の価格が安くなる~、やった~、アメリカ産を買おう~!っという安易な発想で飛びついてしまうと何年後かに健康被害が出るという結果が想像されるわけです。
それよりも何よりも日本の食の安全保障上、外国に主食の供給を依存したら、例え同盟国であってもまずいことになります。
いくら安倍政権が愚かでも、そこまで愚かではないだろうと思っているのですが、どうなのでしょう?
トランプさんと安倍さんは、この間ゴルフをして親密になったそうなので、アメリカさんの言うことは全部聞き入れるよ~なんてことになるんじゃないかと思えて心配です。
死ぬ気で米の市場開放だけは阻止してもらいたいものです。
覇権国アメリカとそれに挑戦する中国
ところで、これだけ鮮明にナショナリストであることを示しているトランプさんを、なぜTBSラジオは単なるポピュリストだと言っているのでしょうか?
僕自身、トランプさんが単なるポピュリストで、アメリカ第一主義が単なる一般大衆向けの行動であり、パフォーマンスであるだけならばいいと思うのですが、そうではなさそうです。
最近の日本企業への圧力を見ると、やっぱりこの人、本気だなと思うわけです。
TBSラジオの見当違いはどこから来るのか、まったくわかりません。何を見てるのでしょうねえ???
アメリカのマスコミも、日本のマスコミも、トランプさんをちゃんと見てないように思えます。
あの人、本当に怖い人だと思います。
今のままですと中国とガチンコでやり合うことになりそうです。
落ちぶれ始めていますが、現在の覇権国はアメリカです。
それに挑戦する中国という構図です。
中国は軍事力を強化しています。
一党独裁国家なので、軍事力を強化したかったら、強化し放題です。
中国の経済発展の目的も軍事力拡大が主な目的だったと言われます。
GDPが増えれば、それだけ軍事力にお金が遣えるという話です。
そんなアメリカと中国がどうなるのか、注意して見ていきたいと思います。
豊洲移転問題 – 明日は明日の風が吹く
[…] ポピュリズムとナショナリズム […]