ルポ 貧困大国アメリカⅡを読んで(刑務所ビジネスについて)



ルポ 貧困大国アメリカの続巻「ルポ 貧困大国アメリカⅡ」を読みました。

その中で、刑務所の民営化の話がすごかったので、とりあげてみたいと思います。

有望な投資先、刑務所

民営刑務所は、19世紀まで普及していたようだが、劣悪な環境化で囚人を奴隷のように扱うことから、禁止されていたそうです。
しかし、現在民営刑務所は、有望な投資先として、見られています。財政が圧迫されていて、刑務所の運営が難しくなっている連邦政府と州政府は、刑務所に対するコストカットを最優先にして、民営化することで、費用を抑えることをしています。

生活必需品などを囚人に払わせる

囚人は部屋代、医療費で毎日2ドルを徴収されます。他に歯磨き粉など、生活必需品も有料です。しかも、刑務所の外の物価の大体1.5倍です。囚人は、出所時には、返済不能な額の借金を背負って出所します。
出所後、働きたくても、借金の多さを見て、面接で落されます。
生活できないため、再犯を犯して、刑務所にUターンするケースが多いそうです。
スリーストライク法というものがあり、3回、刑務所に送られると、罪の重さと無関係に終身刑となります。
そのため、刑務所はどんどん建てないと追いつかない状況となっています。
政治家も治安をよくすると言った理由から、刑務所を増やす公約をすることも多いです。

囚人を派遣労働者に

囚人を派遣労働者として働かせます。囚人も労働者なので、賃金をもらますが、ご存知の方も多いと思いますが、賃金はとても安いです。
時給50円とかです。。。
それを一般の会社に派遣労働者として派遣すると、雇った会社にしてみれば、とってもお得なのです。
コールセンターの例が本には載ってましたが、外国にアウトソーシングすると言語の問題がありますが、囚人は英語がしゃべれます。
また賃金も安いため、外国にアウトソーシングするよりも、お得というわけです。
また、他の囚人のような重労働でない、コールセンターのような楽な仕事をやれるということで、囚人間で競争が起こるため、仕事を手放したくない囚人は必死に働きます。
なので、一般の派遣労働者と遜色ない上、超低賃金で働いてくれるため、超お得なわけです。
もちろん、一般の派遣労働者からは不満が出ているようですが。。。

ローリスク、ハイリターンな刑務所ビジネス(刑産複合体)

刑務所は出所しても自然に戻ってくる、低賃金で働かせて儲かる、刑務所を建てても潰れないということで、ローリスク、ハイリターンなビジネスになっているそうです。
刑務所REITなども売られています。刑務所の不動産を投資信託にして売り出すといういことです。これが飛ぶように売れているそうです。
まさにビジネス!

ホームレスを捕まえろ

ホームレスを監視して、ちょっとでもおかしな行動をすると、捕まえて刑務所に送るそうです。
刑務所に囚人が多いと、儲ける人たちがいるため、囚人はできるだけ増やそうということです。
ホームレスを救済するための炊き出しも取り締まられてるケースがあるそうです。
ホームレスを監視するために、警官を増員してまで、ホームレス逮捕に力を入れている地域もあります。

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感想(21件)

以上、アメリカの刑務所ビジネスを紹介しました。
日本でも民営化の話がいろいろな分野で出てきています。
日本の刑務所も派遣社員が働く時代になっています。
日本では、派遣社員は囚人を取り押さえる権利がないため、すべてが派遣労働者になるとは思いませんが、日本でも刑務所ビジネスが始まらないとは言い切れないほど、安倍政権は新自由主義に染まっているため、ここ数年で何が起こるかわからないなあと思っています。
恐ろしい世の中ですね。。。


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