プライマリーバランスの黒字化が2年先送りに、どうせならプライマリーバランス黒字化計画をなくせばいいのに







文化放送のラジオネタです。コメンテーターは藤井聡さん(内閣官房参与(京都大学大学院教授)です。

内閣府は財政健全化の指標と国が考えているプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を2年先送りにすることを発表しました。

この試算に織り込まれている社会保障費などの歳出抑制策を検討した上で、政府は新たなプライマリーバランス黒字化の目標を、6月を目処に策定するとのこと。

去年7月時点で、2025年度に黒字化すると試算していたところを、27年度に先送りにするとのことです。

ここで、プライマリーバランス(Primary Balance)とは、「国や地方自治体などの基礎的な財政収支のこと」をいいます。

プライマリーバランス黒字化が2年先送り

この話は目標が2年ずれ込んだという話ではなく、普通にこのまま行ったら、いつ実現するかの試算結果、予測結果が2年ずれ込んだということです。

オイルの値段が上がるということでデフレ圧力がかかるとか、働き方改革で残業代が減ることによるデフレ圧力だとか、食料品の高騰することはインフレではありますが消費者としては必需品の値段が上がるために他のものが買えなくなるということによるデフレ圧力とか、いろいろありますが、そんなことよりも強烈なデフレ圧力がプライマリーバランス黒字化であると言えます。

プライマリーバランスを黒字にするということは、政府の支出をカットしていくということですので、確実にデフレ圧力になります。なぜなら、政府支出はGDPを押し上げますが、それを抑えるということは、国の豊かさを現すGDPを減らすということですので、他のデフレ圧力よりも強力なデフレ圧力となるわけです。

プライマリーバランス黒字化は、政府が支出を削るということが実態になります。

っというわけで、プライマリーバランス黒字化が遅れれば遅れるほど、その圧力が減るということなので、どんどん遅らせるべきことだと思われます。

プライマリーバランス黒字化がいいことだと一般的に思われていることですが実はまったくの正反対で、日本経済にとってみれば疫病神であるということを認識するべきだと思います。

政府の経済オンチさ。。。

プライマリーバランス黒字化については、社会保障や公共事業などの経費を借金以外の税収でまかなえることの指標で内閣府は年に2回、改定値として公表しています。

前回の試算よりも、2年先送りにしたのは来年10月に実施される予定である消費税率の引き上げで得る税収を幼児教育の無償化などに回すことや、企業の生産性の伸びをこれまでより慎重に見積もったなどの影響が出ていると言われています。

試算もいろいろあるのですが、この試算の中に反映されていないことが2つあり懸念されています。

1つ目は、この試算モデルがどういうものかを確認してみると、増税をしたときに消費が減るという効果が考慮されていないということです。

増税はしても消費が減らずに税収だけが増える試算となっているわけです。

そのため、税収だけが増えるので、プライマリーバランス黒字化がしやすくなるという試算なのです。

実際には、消費増税をすると消費が低迷するため、税収が減ります。そのため、プライマリーバランスが悪化することがこれまでの消費増税の結果から見られるわけです。

消費増税による税収の減少が入ってないので、プライマリーバランスを黒字化するには、増税したらいいとなっていますが、実は逆の効果があるので、そこが考えられてないと言えます。

もう1つ、このモデルの恐ろしいことは、プライマリーバランスの赤字が減ると消費が増えるという理屈が盛り込まれていることです。

どういうことかと言いますと、一般の消費者の方々は、いつもプライマリーバランスを見ていて、それが赤字だったら政府が破綻するかも知れないから恐ろしいので消費を抑えようとするというモデルとなっています。逆にプライマリーバランスが黒字だと、政府が破綻しないから、消費を増やそうというモデルなのです。

実際には、消費者はプライマリーバランスなどを見て、消費を決めていません。

実際に調べた結果では、プライマリーバランスと消費の因果関係はまったくないことが明らかになっています。それより、逆の現象まで起こっているのです。

政府の経済オンチぶりがよくわかる試算モデルだと言わざるを得ないわけです。

この試算から導き出せるのは、プライマリーバランスを黒字化するために、増税をしましょう!ということになるのですが、この試算モデル、ばかばかしいほど間違っているので、それから導き出される増税必要論も間違っていると言わざるを得ないわけです。

つまりは、増税による税収減、プライマリーバランス状況により消費性向が決まらないという2つの考えは試算モデルに入れないといけないわけです。

名目GDPとプライマリーバランスの相関関係

まず政府が取り組むべきはデフレから脱却であり、プライマリーバランス黒字化ではないということです。

デフレから脱却した後で、余裕があれば、プライマリーバランス黒字化を考えてもいいかと思いますが、とにかく二の次だということです。

政府はプライマリーバランス黒字化目標が全面に出れば、デフレ脱却から遠のいてしまうのですが、プライマリーバランス黒字化目標ばかりに重点を置いてしまっているように見受けられます。それにより財政が悪化しているということです。

かゆいところを辛抱していたら、かゆくなくなるのに、かゆいからといってかくから、さらにかゆくなって、さらにさらにかいて、血まみれになっているのが今の日本だと言えると思います。

日本政府は、デフレ脱却とプライマリーバランス黒字化の両方を実現したいのだと思っているのでしょうが、順番があるわけです。

まずは、プライマリーバランスの赤字を一時的に悪化させて、それを通して景気を良くすれば、その半年後から1年後にプライマリーバランスは改善するということが実証的に知られています。

景気と1年後のプライマリーバランスの相関関係をみえると、0.8から0.9くらいまで相関関係にあることが知られています。

プライマリーバランスを改善したいなら、名目GDPを増やせば改善します。(名目GDPとは物価影響を除外したGDPの値)

名目GDPは、政府支出により、コントロールできますので、政府支出を拡大することが大事だと言えるわけです。

名目GDPとプライマリーバランスの相関関係があるのだから、政府は支出をするべきだと言えるわけです。そうやって一時的にプライマリーバランスを赤字化することが大事だということです。

このようなことは、ポール・クルーグマンやスティグリッツのような著名な経済学者も言っていることですので、したがって欲しいと思うわけです。

ですので、プライマリーバランス黒字化が遅れたことを残念と思うのは、逆だということです。新聞の論調にぜひ騙されないように気をつけましょう。

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