文化放送のラジオネタです。コメンテーターは経済評論家の三橋貴明さんです。
トラックの運送量を増やすために、トラックの荷台を連結させて運搬できる連結トラックを導入する会社に、政府は補助金を出す方針を固めました。
連結トラックとは
連結トラックとは、先ほど書きましたが、トラックの荷台の後ろにもう一つ荷台を連結させて、長い長いトラックにしたもののことです。
2台の荷台のついたトラックならば1人の運転手で、二倍の荷物を運ぶことが可能になります。
なぜ、連結トラックが普及しないかというと、お値段が高いそうです。
普通の大型トラックで、大体2000万円くらいです。
連結トラックだと3000万円になってしまいます。
これについて、政府は3分の1を補助するので、連結トラックの代金は、実質大型トラックを購入したのと同じ値段にできるようになります。
連結トラックですと、1人の運転手が2倍の荷物を運べるため、生産性の向上が図れます。
トラックの自動運転化
自動運転も話題に挙がるようになってきましたが、これはまだ実用化には遠いと考えられます。
混雑したところを、自動運転できるかというと、まだそこまでは技術的に課題は多いようです。
しかし、高速道路では、隊列走行には自動運転も活躍できるのではないかと思われます。
1台目に運転手が運転し、2台目、3台目の荷台を連結させて引っ張るということは可能性があると思われます。
これは今後2,3年で普及できるとのことです。
ADAS(先進運転支援システム)の導入
アメリカのテスラモーター社はすでに自動運転機能を持ったEV(電気自動車)トラックを開発中で、ネバダ州で試験走行をしています。
アメリカでは、連結走行のことをプラトーン走行というそうです。プラトーンとは小隊を意味します。
自動運転するトラックを連結させて運転する、この連結トラックは、あっという間に日本で流行るとのこと。
日本の悪名高い未来投資会議ですが、これはやらないといけないということで、ADAS(先進運転支援システム)の導入を進めるようです。
高速道路で用いられることを想定しています。
高速道路での事故の悲惨さはご存知のとおりです。それを起こさないようにするというわけです。
高速道路の問題は、運転手が眠ってしまう、あるいは具合が悪くなってしまうことによります。
現状、トラック業界では人手不足が深刻になっていまして、女性や高齢者も運転して行かざるを得ない状況だそうです。
東京でタクシーに乗る方はわかると思いますが、ほとんどが高齢者となっています。
高速道路で長時間、高齢者が運転するということは難しいと思われます。
そこでADASの導入が大切になるわけです。
これによって、1人が隊列走行で4台、5台分を運ぶということです。
トラック業界での生産性の向上
この分野は世界で日本が牽引すると考えられます。なぜなら人手不足だからです。
他の国と比べて、政府の動きがこれほど早いのは日本だけだそうです。
2番目はシンガポールだそうです。
人手不足は、生産性の向上を目指すためには、素晴らしい環境だと言えます。
政府目標
日本は、人手不足のため、こういう技術を入れていかないといけない状況にあります。
トラック業界の何がいいかというと、外国人は免許が取れないため、運転できないからです。
この業界は日本人がなんとかしないといけない業界なのです。
政府は、18年1月から隊列走行の試験を開始します。
2020年までに新東名高速道路で、後続車両を無人にする試験をします。
2022年に自動化します。東京―大阪間の荷物が多い区間で実施します。
すでに目標が設定されているので、これは進むと思われます。
すでにデンソーなどのメーカーも実用化に向けて動いているそうです。
実用化の課題
実用化には、まだ課題はあるようです。例えば、隊列走行している間に一般車が入ったらどうなるの?とか駐車場をどうするか?とかあります。
そういうことは、試験走行中にクリアになっていくと思われます。
実用化が早く進んでくれるといい分野だと思います。
隊列走行には、新しいトラックが必要になり、経営者の方々はリスクもあるし、大変だと思いますが、こういう技術革新によって経済成長していくのだと思います。