僕は5年前にリストラされて収入が減ったため、節約生活をしています。
節約は日本経済をだめにした?
日本の長い不景気の原因は、よく言われることでは、みんなが消費をしないためだとのことです。
果たしてそうなのでしょうか?
一部は正しいと思います。
でもあえて、家計の節約は悪ではないと言いたいです。
GDP三面等価
国内総生産(GDP)では、消費の総量=所得の総量=生産の総量が成立します。これは統計上、そうなります。
つまり消費が減ると所得も減ります。
所得が減ると消費が減ります。消費が減ると所得も減ります。所得が減ると。。。
この循環が起こるため、消費を減らすと景気が悪くなるというわけです。
デフレの怖いところ
この現象のことをデフレーション(デフレ)と言います。
デフレが怖いのは、国民がひたすら貧乏になるだけではなくて、生産も減ることです。
買う人がいないため、生産も減らさざるを得ないわけです。
そうすると、生産物が消費されなくなるために、売れないので、また減産されます。
減産すると所得が減るため、生産物が買えないため、生産物が余ります。
減産してもまだ売れ残るために、また減産します。
それをひたすら続けることで、技術力も育たなくなり、やがて廃れていくわけです。
そうすると、どうなっていくか。
行き着くところとしては、高層ビルを日本の建設業で作れないだとか、最近でいうところの半導体が日本企業で作れない、そんな状況になっていくわけです。
日本が発展途上国に向かっていくということが言えるわけです。
デフレの行き着くところ
デフレの行き着く先は、発展途上国。
実際になれ果てた国があります。アルゼンチンです。
アルゼンチンは、第一次世界大戦前は、国民総生産(GDP)では世界第5位の経済大国でした。
それが見る影もなく発展途上国となっています。
節約は悪なの?
そう考えると節約は悪なの?と思えてくるかも知れませんが、一般家庭での節約は悪だと言われても困るわけです。
韓国のように借金してまで見栄のために、大きな車を買ったりして、家計での負債を増やせばいいというわけではないと思います。
じゃあどこがお金を使えばいいかと言えば、日本政府だということです。
日本政府は日本銀行を子会社に持っています。
知ってのとおり、日本銀行は、1万円札などの紙幣を発行している株式会社です。
日本政府は、51%の株を保有している親会社となります。
ですので、子会社である日本銀行により、お金を発行させることができるのです。
黒田日銀が始まって以来、量的緩和を実施し、今では国債の40%を日銀が保有しています。
日銀の保有している国債は、利回りを政府が払う必要がありません。今は政府は払っていますが、決算時に利回り分を政府に戻しています。
つまり、日銀が買い取った国債の利回り分が消えるため、日銀の保有する国債は、いわゆる「国の借金」から棒引きできます。
実際に「国の借金」(正しくは政府の負債)は減っています。
つまり政府は日銀を介して、借金を減らすことができるのです。
「国の借金」1000兆円の嘘
財務省の発表では、「国の借金」は1000兆円ある、国民1人に対して800万円の借金があるという主張を続けていますが、それは日銀が保有している国債も計算に入れています。
先ほども言ったように棒引きされている「国の借金」1000兆円の40%の400兆円が棒引きされないまま計上されているわけです。
明らかに実質と合わないことを財務省は宣伝しているわけです。
それで何がしたいのかというと増税であり、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化です。
何が言いたいのかというと、マスコミは財務省の言うことをそのまま伝えているだけなので、嘘を報道しているので、騙されないようにしないといけないということです。
「国の借金」はすでになくなっている
財務省は、「国の借金」があるので、政府が消費することはできないと主張しています。
社会保障支出の削減などで、支出を減らそうとしています。
それは本当に正しいのでしょうか?
財務省はことさらに「国の借金」を訴えていますが、日本政府は資産も持っているのです。
資産総額として、400兆円くらいあるそうです。
実質200兆円くらいが「国の借金」となります。
これは日本のGDP(大体500兆円)の40%となります。
グローバルスタンダードというか、EUでの制約でも、「国の借金」はGDPの60%以内ということですので、それに当てはまっています。
つまり日本の財政問題は片付いているのです。
財政問題が解決している政府にはお金を使ってもらおう
長々と何が言いたかったかというと、政府の財政問題が解決しているのだから、お金を使ってもらおうということです。
債務と債権の話で、政府がお金を使えば、債務が増えますが、同時に誰かが債権を得る、つまり誰かが所得を手に入れるのです。
政府がお金を使えば、回りまわって、我々国民にお金が回ってくるのです。
それを考えると財政問題のない政府には、お金を使ってもらって、国民に「財の再分配」をしてもらえば良い話だということです。
つまり、家計が節約している、それが悪なんだということではないということです。
デフレで苦しんでいたのは、政府がお金を使わなかったせいだということです。
家計の責任ではないということを力説したいがために、長々と説明してきたわけです。
ぜひ、財務省の嘘に騙されないようにしていただきたいです。
そして家計の節約は善だ!と主張したいわけです。
誰だって所得が増えれば、それだけお金は遣うのです。早くデフレから脱却できれば、国民はお金を使うのです。
そうすれば、経済は回り出すのです。
しかし、過度な貯蓄は必要ないと個人的には思います。
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