終末期医療1(日本の医療と医療大麻)



公開日時: 2016年7月15日 @ 21:54
山本医療大麻裁判の記事をgooニュースでちらっと見た。余命は最大1年で「打つ手はない」と死の宣告をされた末期の肝臓がん患者・山本正光さん(58)が職務質問を受けて、大麻所持の現行犯で逮捕されて、裁判になった事件だ。山本さんは、医療大麻の使用を厚生労働省、農林水産省、法務省に相談したり、製薬会社に相談したらしいが、全部断られて、仕方がなく自分で麻を育てて、大麻を作って所持していたところを捕まったとのこと。ところが、捕まる前、医療大麻を使っていたところ、症状が明らかに軽くなり、お医者さんに驚かれていた。つまり明らかに効果があったのだ。

海外を見ると1996年にカリフォルニア州で医療大麻は合法化されて、アメリカでは多くの州で合法となっている。あとはヨーロッパ、オーストラリアで合法化されている。合法でない国もまだ多いようだが、大概は発展途上国である。先進国はすでに多くで認められているし、アメリカでは、医療目的以外でも大麻は合法となっている州もあり、大麻を麻薬として見る傾向は減っている。効用もいろいろわかっていて、山本さんのように癌の症状が和らぐ他、鎮痛作用、沈静作用、催眠作用、食欲増進作用、眼圧の緩和、嘔吐の抑制などがわかっている。癌以外にもいろいろ効果がわかっていて、よく使われるのが、うつ病患者によく使われているらしい。抗うつ作用に加えて、よく寝れて、食欲も出るため、よく効くらしい。これは海外では当たり前とのこと。

20年も前から、使われていて、これだけ効果が他の国で立証されている医療大麻だが、日本ではほとんど研究されていないどころか、この間日本の大学から大麻の毒性についての論文がニュースになっていた。薬には副作用はつきものであり、大麻よりもっとひどい副作用のものなどたくさんあるのに、大麻だけ合法にならないことがわからない。大麻には中毒性はなく、医療用に使う分には毒性も低いことは世界的には、ほぼ確定しているらしい。山本さんにしてみれば、命の問題である。しかも余命1年と言われた人間が藁にもすがる思いで、大麻を使ったことに対して、誰が責められるのだろうか?この裁判で、無罪になって、医療大麻が認められることを祈りたい。

いつも思うことだが、日本は先進国だというが、医療制度についても教育制度についても、まだまだアメリカから見るとすごく遅れていると思えて仕方がない。特に医療に関しては何をやるにも遅すぎる。医療に関しては、もう少し組織改革が必要だと常々感じる。海外の動向を見て、実績のあるものは、認可を簡略化するなど、何か工夫しないと、日本は医療後進国になってしまう。医療大麻のように終末期医療にも関わる分野については、特に急ぎ考えて欲しいところだと思う。高齢化が進み、終末期医療を受ける人間は増えているのだから、そういう人たちに、少しでもよい医療を提供することを心がけるように、日本も変わってほしいと願う。


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