貧困大国アメリカシリーズの完結編の(株)貧困大国アメリカを読んで。
今回は、アメリカの養鶏場・牧場の現実をお届けします。
厩舎に詰め込まれる鶏・豚・牛
養鶏場や養豚・牛が大変なことになっているそうです。
特にひどいのは養鶏場だそうです。
独占禁止法の規制緩和を実施したレーガン政権から寡占化が進み、業界が淘汰されていき、四大企業が圧倒的な力を持つこととなりました。
そこで、契約農家を募って、契約して支配を増やします。
大企業の効率的な農業と一般農家では、競争すれば勝てないため、次々に農家は大企業の傘下に入っていきます。
そして契約したあとで、大企業は無理難題をふっかけてきます。
養鶏場は、大企業側からの命令で大量に鶏を飼わされるため、養鶏場で鶏がぎゅうぎゅう詰めにされます。
衛生状況は最悪で、ストレスで、鶏同士がけんかになるため、くちばしは切られるそうです。
そんな状況なので、鶏の病気や死亡する確率は23%だそうです。抗生物質の大量投与で、なんとか生かされて。
また成長促進剤を使って、早く成長させます。その結果、30年前の鶏の体重に比べて、現在の鶏は4倍の体重になるそうです。
そのため、足を骨折する鶏も出るそうです。
新たな農奴制の成立
利益ですが、大体比率で大企業側が30%、契約農場の取り分は2~3%だそうです。
農場側は、大量の抗生物質、水の料金で、年間300万円の収入が得られると言って契約しながら、実際は130万円ほどしかもらえないそうです。
さらに、他の契約農場に比べて、利益が少ないと言ってきて、建て増しや施設の最新化のため、設備投資を命令してきて、借金を増やさせます。
なぜ、組合を作って団体交渉ができないかというと、他の契約農場との競争をさせるため、みんな敵だという意識を根付かせて、抵抗させないためだそうです。
農場側は泣き寝入りするしかないそうです。
強い農業の実現(寡占化による効率向上)
レーガン政権は、それまで禁止されていた独占禁止法を骨抜きにすることで、農業企業が大きくなっていきました。
大企業はもっとたくさん、もっと効率よくという思想で、工場式農場に切り替えられていきました。
質より量を重視した政策だったのです。
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日本でも去年のTPP法案成立前に、強い農業、6次産業化などと農水大臣、安倍首相が言ってましたが、実態はこういうことです。
大企業の工場式農場とは、質より量が重視されます。
僕はこれを読んで、肉を食べるのに、躊躇を感じました。どれだけ抗生物質を飲まされた家畜の肉かわからないのです。。。
もしTPPが成立していたら、そんなことが日本でも起こっていたと思うと、ぞっとします。
被害をこうむるのは、結局、消費者である一般市民なのです。
日米FTAのときに、また強い農業とか6次産業化などと言う政治家が出てきたら、その政治家にその結果どうなるか、考えたことあるのか?と聞いたほうがいいです。
日本の農業改革で、農協の株式会社化を安倍政権は推し進めていますが、なんとしてでも止めないといけないと思います。
なぜなら株式会社化した瞬間、アメリカの大農業企業に買収されて、日本のアメリカ化が進んでしまうからです。
今は、全農が食料の品質管理をしているため、ひどい食料は輸入されていないそうです。
全農がアメリカ企業に買収された日には、安心して、食べ物を食べられなくなると思ったほうがいいと思います。
そんなことにならないといいなあと思う今日この頃です。。。
NickNick
そんな養鶏場で育った鶏肉は、身体に悪そうですよねー。こわいこわい。
最初の養鶏場の写真に、特にビックリしました。
ponnponn
風邪をひいて寝込んでいて、返信遅れてすみません。。。
30年前の体重が4倍の鶏の写真がまたすごかったですよ!今の鶏は丸々と太っています。。。
本当に同じ鶏かよって話ですよ。食の安全は守りたいなあと、ひしひしと感じています。これはまた別の本(亡国の農協改革)で紹介したいと思います。
コメントありがとうございました。