ラジオネタです。コメンテーターは経済評論家の三橋貴明さんです。
アメリカ抜きのTPP
アメリカが抜けたことで、12カ国で実施しようとしていたTPPは、実現しませんでした。
TPPは加盟を宣言していた国のGDPが80%以下になった時点で、失効してしまうため、アメリカがTPPを批准しないことが決まった時点で、TPPは一度白紙となります。
しかし、アメリカ抜きでのTPPを現在日本政府は模索しています。
東南アジア諸国にとってのTPP
しかし、東南アジア諸国は、アメリカの市場を狙っていたので、アメリカ抜きのTPPには興味がないそうです。
アメリカが抜けてもTPPを進めるなら、新たに中国やロシアや韓国を入れようと言っているそうです。
日本では、TPPは中国包囲網だということで話を進めていましたが、中国を入れるなら、何のためのTPPなのでしょうねえ?
まったく意味がわかりません。
本ブログでも以前書きましたが、TPPは結局安全保障とは関係なかったことがわかる話です。
TPPはグローバリズムの国際協定です。安全保障とはまったく関係ないです。
アメリカとの二国間協議の行方
現在、日本とアメリカとの二国間協定が進もうとしていますが、朝鮮有事があった場合、日本はアメリカの力を借りないと朝鮮有事を乗り越えられそうにないです。
この状況の中、アメリカからの貿易交渉で勝てるのでしょうか?
安倍首相は、TPP批准の際、二国間協定の最低ラインを引く意味でTPPに批准したと言いますが、アメリカがそんなことを聞き入れるはずはないと思われます。
むしろTPP批准時のラインから、どれだけ日本が譲歩するかの交渉になってしまうでしょう。
TPPの行方
TPPに話を戻すと、現在TPPは、日本とオーストラリアとニュージーランドしか乗り気じゃないそうです。
カナダとメキシコはNAFTAの再交渉があるので、TPPはどうでもいいようですし、先も述べたように東南アジアは乗り気じゃないです。
そうなってくると、ベトナムでの21日のTPP関係閣僚会合はどういった方向になるのか、気になるところです。
日本とオーストラリアとニュージーランドの三カ国交渉の方が現実的なような気がします。
日本にとってのTPP
日本は何がしたいのでしょう?
結局のところ、経済について内需を拡大するのに、お金を使いたくないので、海外に需要を求めるということを未だに考えているようです。
結局、TPP参加国の需要を奪って、自国の製品を売りつけたいという浅ましさしか見えてこないわけです。
しかし、同時に日本にも、外国の安い商品が入ってくるのです。
そうすれば、間違いなく日本でのデフレ圧力は強まります。
強い産業と弱い産業がはっきり別れて、パレート最適が起こります。(パレート最適とは、コトバンクによると「所与の資源,技術,嗜好,所得分配のもとで,何か少なくとも一つの経済主体の経済状態を悪化させることなしには,他の経済主体の経済状態をこれ以上向上させることのできない状態をいう。」ということ)
前のブログ(「反EU、反グローバリズムの敗北。フランス大統領選挙から見る若年層失業率」)でも示しましたが、国際協定はやっかいです。
一度結ぶとEUのように取り返しがつかないようになり兼ねません。
それを考えると、TPPなど結ぶ必要はないと思ってやみません。
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