水曜日はラジオの日ということで、文化放送を聴きました。
今日のコメンテーターは藤井聡さん(内閣官房参与(京都大学大学院教授)です。
プライマリーバランスについてみなさんはご存知でしょうか?
日本語で基礎的財政収支のことです。
プライマリーバランスとはWikipediaには「政府会計において、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支」と書かれています。
つまりは、政府の支出と収入のバランスということです。
財政均衡主義って正しいの?
財政均衡という考え方があり、政府収支は、均衡しなければならないと財務省は言っています。
現在、「国の借金」と呼ばれるものは1000兆円と言われています。
正しくは、「国の借金」ではなく、政府の負債です。
なので、政府の負債を返さないといけないため、政府は収入を増やし、支出を減らす必要があるということを財務省は言っています。
しかし、財政収支が黒字になるということは、国民がそれだけ政府にお金を取られるということです。
つまり、今の財務省は、国民を貧困化させる政策を政府にさせているということが言えます。
果たして、プライマリーバランスは均衡しないといけないのでしょうか?
政府の負債を帳消しできる?
政府の収支は、一般家庭の収支とは違います。
政府は営利団体ではありません。NPO団体です。
つまり儲けることは考えなくていいということですし、貯金も考えなくていいということです。
そして、何よりも大きいのが、通貨を発行できることです。
中央銀行の日本銀行は政府の子会社なので、政府が国債を発行して日本銀行に買い取らせると、決算のときに借金は帳消しになります。
国債の利回りも95%を政府に返す必要があるため、日本銀行が所持する国債は、利回りを気にしなくてよくなります。
通貨を発行でき、かつ借金を帳消しにできる日本政府がなぜプライマリーバランスをことさらに気にすることがあるでしょうか?
プライマリーバランスを気にしすぎるため、必要なところに支出できない現状があります。
必要な財政出動ができず、公共投資を増やせずにデフレに苦しみ続けています。
財務省の謀略と言っていいでしょう。
財政規律は必要
ただし、藤井先生は、財政規律も必要だと言われています。
財政規律とは、野放図に借金を増やしていいものでもないということです。
ただし、今のように、政府の収入を増やし、支出を減らすという考え方ではなく、GDPと負債の比率で考えるべきだとおっしゃっています。
つまり、経済成長すれば、税収が増えて、かつインフレになれば、GDPと負債の比率は自然に小さくなります。
(負債額は変わらないため。インフレになると、お金の価値は下がるため、負債が自然と小さくなります。)
そうすれば、自然と財政規律は守れるというわけです。
今のように国民を不幸にする政府の収入を増やし、支出を減らすという、財務省の考え方を改め、お金の使い方をもう一度見直しましょうということです。
政府は財政出動をするべき
日本政府の負債は、エンゲル係数の上昇(日本の貧困化)でも示しましたが、政府の資産が大きいことと、日本銀行が国債を全体の40%ほど買い取っているので、現在の政府の負債は200兆円くらいだと思われます。
つまりGDPが大体500兆円くらいなので、GDPと負債の比率は40%ほどです。
大きいと言えば大きいですが、ギリシャのように破綻するほど、大きな数字ではないのです。
しかも、日本国債は、100%日本通貨建てのため、日本通貨を発行できる日本政府が破綻する確率は0%です。
ことさらにプライマリーバランスを気にすることよりも、政府は財政出動をして、早くデフレから脱する政策をするべきです。
そのための助言をするべき経済学者がリフレーションなどというでたらめな理論を持ち出して、せっかくデフレから脱出できるチャンスを台無しにしています。
こんなことでいいのか?と思ってしまうわけです。
みなさんもマスコミに騙されないようにしないといけません。
っていうか、こういうことを放送してくれる文化放送ってすごいなと思うわけです。
他の主要なマスコミでは、まず取り上げない内容だと思います。
がんばれ、文化放送!
国の借金なんて、気にしなくていい。貨幣論から見る財務省の愚かさ – 明日は明日の風が吹く
[…] 今するべきは消費増税ではなく消費減税をする必要があります。 消費増税は、この財政均衡主義が作り出した幻想なのです。 政府の負債を国民の税金で減らすだけが手段じゃないのです。(当ブログ「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の恐怖」参照) そもそもデフレのときに消費増税などしてはいけないのです。 前の当ブログ記事(日本人の消費支出が1割減)にも述べましたが消費増税はインフレ対策です。 なぜデフレのときにインフレ対策をしないといけないのか? 財務省がやっていることは矛盾していることがわかるかと思います。 […]