「もうひとつの核なき世界」という本から、劣化ウラン弾について紹介したいと思います。
もう1つの核兵器?(劣化ウラン弾)
劣化ウランとは、ウラン235を作った後に残る核産業廃棄物です。
アメリカ政府は、50万トンもある、この核産業廃棄物をどう処理するかで困っていました。
そこで、劣化ウランを何かに転用できないか研究を進めました。
そしてついてに比重の高さ、硬さを生かして、対戦車弾頭にすることを思いつきました。
しかも従来のタングステンを材料にするより、原料が遥かに安いです。
湾岸戦争後の戦争
湾岸戦争から劣化ウラン弾は各国で使われ始めました。
湾岸戦争時の帰還兵約43万人の半数近くが倦怠感や関節痛、皮膚の痛み、記憶の喪失、などで、悩まされ続けました。
またガンや白血病の羅漢率が帰還兵と一般人では、大きく違うことがわかりました。
これを湾岸戦争症候群といいます。
原因については、わからないと軍人病院では診察されるだけです。
アメリカ政府も湾岸戦争症候群と劣化ウラン弾との関連性は現在も否定し続けています。
劣化ウラン弾の毒性
劣化ウラン弾は、着弾すると、高熱を発するため、着弾した戦車の乗員を熱で死なせることができます。
命中した際、放射性と重金属毒性を持つチリを拡散。人体、土、水、生態系を汚染。人間が吸い込むと長期にわたって身体を蝕むこととなります。
湾岸戦争の帰還兵で一番発症しているのは、肺がんでした。
もっとも顕著に蓄積されるのは、腎臓と骨で、それが全身に行き渡ります。リンパ節、脳髄にも行き、免疫低下や脳障害を引き起こします。
また睾丸や胎盤にも影響を及ぼし、先天性障害を引き起こす原因にもなります。
戦場となったイラク
放射性と重金属毒性を持つチリの拡散が置きやすい砂漠の多いイラクでは、深刻な健康被害が出ています。
中でも戦場となったイラクでは、先天性異常が急増しました。
また子供のガン、白血病、リンパ種、呼吸器系疾患が何倍にも増えました。
湾岸戦争後、制裁処置として輸入の制限を受けたイラクでは、医薬品の輸入がままならず、病気に苦しみ、どんどん子供が死んでいきました。
イラク戦争では、都市部への被害も大きかったです。
半減期は45億年とされるため、ほぼ永久的に放射能被害は消えません。
イラクの人たちは、半永久的に放射能被害から逃げられないこととなるわけです。
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湾岸戦争後の紛争では、劣化ウラン弾が使われています。
ボスニア紛争、コソボ・セルビア紛争、イラク戦争、アフガニスタン紛争、いずれも被爆しています。
日本が唯一の被爆国というのは、もはや言えなくなりました。
原爆はいけないのに、劣化ウラン弾はいいという話にはならないはずだと思います。
被爆国日本として、劣化ウラン弾の使用を完全使用禁止にさせる必要があると思います。
今後、自衛隊が派遣される先で、劣化ウラン弾が使われていることも考えられると思います。
そんなところに、日本人が派遣されて、ガンや白血病になることを想像するとぞっとします。
政府はどうやって説明するのでしょう?
劣化ウラン弾が使われていたことを説明された上で、派遣される自衛隊員はいるのでしょうか?
自衛隊の派遣はまず劣化ウラン弾を使用禁止にしてからにしてもらいたいものだと思う今日この頃です。
※「汚れた弾丸」という講談社のマガジン系列のマンガも参考に書きました。マンガなので、こちらは読みやすいです。